男性の場合、銭湯のサウナを利用する人は基本的にタオル1枚で入る人が多く、暑い中、ジッと耐えている人が目立ちます。
一方、女性の場合はサウナハットを被って、お友達と談笑する人も多いのではないでしょうか。
男女で違いがみられますが、このサウナハットはいつどこで誕生したのか、気になる人も多いはず。
今回はサウナハットについてご紹介するとともに、その成り立ちや最新のサウナハットをご紹介します。
そもそもサウナハットは何のために存在するのか。
これにはいくつかの理由があります。
まず1つは本場フィンランドならではのサウナスタイルが関係しています。
フィンランドのサウナといえば、アツアツの石などに水やアロマをかけて蒸気を出し、その熱気を浴びるロウリュが有名です。
この時に出る蒸気の温度は80℃、90℃、100℃とされ、直接肌に触れればあまりの熱さで痛みを感じることも。
サウナハットは頭などを蒸気から守るために存在します。
これなら蒸気、熱気が襲い掛かってもサウナハットがガードするので安心です。
また、頭を守る理由として髪の毛がパサパサにならないようにすることも理由に含まれます。
蒸気があるからパサパサとしないと思いがちですが、高温であることに変わりはなく、乾燥してしまいます。
男性はあまり気にしませんが、女性からすれば髪のパサつきは死活問題。
女性を中心にサウナハットが使われているのは納得です。
そんなサウナハットはいつどこで生まれたのかですが、本場フィンランド発祥のアイテムだと思っている人も多いはず。
しかしながら、本場フィンランド発祥ではなかったのです。
むしろフィンランドではサウナハットを被る人はほとんどいないのだとか。
ではどこが発祥なのか、実はドイツがサウナハットの発祥とされています。
ドイツではアウフグースというサウナ文化があります。
アウフグースはロウリュをドイツ語にしたもので、早い話が同じスタイルです。
しかし、フィンランドでは自分で水をかけるのに対し、ドイツはスタッフがそれを行います。
日本には熱波師と呼ばれる人がいてロウリュを行ってくれますが、これはフィンランド式ではなくドイツ式。
ドイツとフィンランドではマナーに関して若干の違いがあり、ドイツの場合は自分の汗を床に落としてはならないというマナーがあります。
国によってサウナに関するルールが異なるのも面白いところです。
さて、サウナハットの歴史には諸説があり、ロウリュらしきものは13世紀から既に存在し、サウナハットもその時期に登場したという説があります。
つまり、サウナハットは800年ほどの歴史があることになります。
さて、なぜフィンランドではサウナハットを被る人がほとんどいないのか不思議に思う人もいるでしょう。
サウナハットはサウナの中でウィスキングを行う人が用いることが多いと言われています。
ウィスキングとは、白樺の葉がついた枝などでカラダを叩く行為を指します。
サウナの中で行うマッサージのようなもので、施術を受ける人はサウナでうつ伏せになり、白樺の葉がついた枝などで叩かれます。
この時、施術を行う側がサウナハットを被っています。
ウィスキングは最近になって日本でも浸透し始め、2023年にはウィスキングの試験を開始する予定です。
フィンランドではウィスキングを行うスタッフのためのアイテムとして知られており、サウナに入る人が被るものではないという認識になっています。
そのため、フィンランドへ行くと、サウナハットをかぶっていたのは日本人観光客だけだったという話も聞かれます。
サウナといえばサウナハットという考えは日本の中でのみ通じるものなので、あまり本場で実践するのは避けた方がいいかもしれません。
とはいえ、これはフィンランドでサウナに入る場合なので、日本で楽しむ分にはサウナハットを被っても何ら問題はありません。
ただし、サウナハットの素材であるフェルトの毛が抜けるため、サウナハットを禁止にする温浴施設もあるので注意が必要です。
ここからはおすすめのサウナハットについてご紹介します。
最近のサウナハットはおしゃれなものが多く、女性に使ってほしいものがいくつも出てきています。
サウナハットに求められるのは速乾性で、すぐに乾くサウナハットが重宝されます。
そのため、フェルトではなくタオル地のサウナハットが目立っており、フェルトは段々と少数派になっています。
そのフェルトはサウナハット特有の形を維持しやすいので速乾性よりも形にこだわる人にとって利用されています。
また、毎日のようにサウナに入る人は持ち運びやすさを重視する人もおり、その場合は化学繊維で作られたサウナハットが人気です。
洗濯機で洗いやすいというのもポイントが高く、気軽に持ち運べる点を含め、こちらを推す人もいます。
サイズは目深にかぶれるものを選ぶ人が多くいます。
これなら頭全体を熱から守ることができます。
このようにサウナハットだけでたくさんの種類があり、何をメインに考えるかでそれぞれに理想のサウナハットが異なります。
サウナハットにポケットが付いており、ロッカーキーやサウナ室を出た後に飲む飲料を購入する小銭を入れておけるものも存在します。
色々な機能があり、サウナハットも千差万別ですが、いくつも用意してローテーションを組んだ方が衛生的にも良いでしょう。
パーソナル・サウナ KUUのサウナハットは、かぶる心地良さも追及した今治タオルのサウナハットです。
深くかぶることができますので、髪をしっかり乾燥や熱から守ることができます。
サウナハットの歴史は800年ほどあり、ここ最近できたものではないことを窺い知ることができます。
一方で本場フィンランドではほとんどの人がサウナハットを被っておらず、ドイツでも多数派ではないため、フィンランドやドイツでサウナに入る場合は周囲をよく見てみましょう。
ちなみにドイツはタオルなどで自分の身体を隠すことはマナーで許されておらず、しかも混浴が基本なので、日本と同じ感覚で入ると痛い目を見ます。
それだけサウナ文化は各地で異なる進化を遂げてきており、日本もこれから独自のサウナ文化が出てくることでしょう。
サウナハットが日本でどんな進化を遂げていくのか、これからも注目していくべきサウナ文化の一つではないでしょうか。